ヨンイのビニールがさ

《どんな絵本?!》

この絵本は、ユン・ドンジェさんの詩にキム・ジェホンさんがすばらしい絵を付けられ、

優れた邦訳家であるピョン・キジャさんが訳されています。

 

このお話は、土砂降りの月曜日に始まります。

ただでさえ憂鬱な月曜日の朝。
主人公のヨンイ(女の子ではないかと思われます)は、緑色のビニールがさを

さして登校する途中に道端で雨に打たれながら座って眠る「ものごいの おじいさん」

を見かけます。

おじいさんの横には、「ものごい」の道具である「へしゃげた」空き缶がひとつ。
空き缶も雨に打たれて、雨水が「じゃぶじゃぶ」溢れていました。

 

物乞いのおじいさんを遠目で見ているヨンイの後ろ姿は、顔がかさで見えない

にも関わらず、ヨンイの気持ちが伝わってくるようです。

物乞いのおじいさんに対する周りの大人と子どもの冷ややかな反応は、多分、

日本でも同じかな?と思います。

ヨンイは登校後もこのおじいさんのことを気にかけていたのでしょう、始業前に

校門から出てもう一度おじいさんの様子を見てみました。

おじいさんはやっぱり、雨に打たれて眠っていました。

ここでヨンイのとった行動とは?!

 

韓国の高度成長期のお話だそうです。
布製のかさが主流になりつつも、まだ庶民の生活は苦しくて、ビニールがさも

貴重な生活用品だった頃。

こんな時代背景を知ると、ヨンイのとった行動がどれほど凄いかがわかります。

韓国の絵本って、凄いなぁ♪


《読み聞かせのヒント》

おじいさんと出あってから雨が止むまでの間、ヨンイの顔は画面に出てきません。

かさで隠れているか、後姿か、ガラスや水たまりにぼんやり映る表情からでしか、

ヨンイの気持ちを測る材料はないのですが、それは絵を描かれたキム・ジェホン

さんがわざとそうされているんですね。

なんという表現!
驚きと感動が一度に押し寄せてきました。

この絵本を未読の方はぜひ、この感動を体験してくださいませ。

 

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